思惑・資本政策 · アクティビスト・TOB
東京コスモス電機は、なぜ18.1倍になったのか
コロナ禍で利益が落ち込んだ可変抵抗器メーカーが、業績の回復に加えてアクティビスト(物言う株主)の株主還元要求を受けて見直され、2020年3月の安値から株価が最高で約18倍になった。
下へスクロールすると、起点から今日までの値動きを順にたどれます。縦軸は起点を1とした倍率(配当込み・対数目盛り)で、上がるにつれて目盛りの上限も広がります。
01 / 052020年3月 · 624円
624円から始まる
02 / 052021年6月 · 1,394円
約1年3か月で2倍
- 2021年3月
2021年3月期は売上79億円(前期比12%減)、営業利益0.5億円(同74%減)、純損失2億円と落ち込んだ。
- 2倍のころに見えていたサイン
2倍到達のころ(2021年6月)は、2021年3月期の営業利益0.5億円を底に、受注が戻って翌期に売上95億円・営業利益8億円へ回復していく局面にあたる。当時の個別材料は確認できていない。
- 2021年3月
03 / 052024年12月 · 5,370円
約4年8か月で10倍
- 2023年3月
2023年3月期は売上107億円、営業利益13億円と回復。この前後からGESが出資を始めた(2023年〜)。
- 2024年5月
GESが株主提案を公表(5月29日)。1株571円の配当、2024〜2026年度に配当性向100%またはDOE10%を維持する定款変更、取締役の株主面談対応の義務化の3件。
- 2023年3月
04 / 052025年7月 · 9,360円
最高は18.1倍
- 2025年2月
2月17日にピークを付けた(DBの値)。
- 2025年6月
6月10日に米Bournsが1株8,075円でのTOBを発表。6月24日の株主総会で取締役が総入れ替えとなり、アクティビストが社長に就いた。
- 2025年2月
05 / 052026年10月 · 996円(分割後)
いまは9.9倍(最高から-45%)
- 2025年8月
8月13日、Bournsが公開買付けの前提条件が満たされないとしてTOBを実施しないと発表。
- 2025年12月
特別調査委員会の報告書を開示(12月4日)。旧経営陣が企業価値算定に圧力をかけた点などが指摘された。
- 2026年3月
2026年3月期は売上96億円(前期比8.6%減)、営業利益4.6億円(同56%減)、純利益0.3億円。
- ピークのあと
ピーク(2025年2月17日)の後、2025年6月に米Bourns社が1株8,075円(総額約109億円)で完全子会社化するTOBを発表した。同月24日の株主総会では会社提案の取締役5名が否決され、アクティビスト提案の8名が選ばれてSAFSのCIOが社長に就いた。新経営陣は期末配当を40円(配当性向100%を指標)とし、Bournsは2025年8月13日に前提条件が満たされないとしてTOBを実施しないと発表した。2025年11〜12月には特別調査委員会の報告で、旧経営陣が企業価値を低く見せるよう算定に圧力をかけた疑いなどが示された。2026年3月期は売上96億円、営業利益4.6億円、純利益0.3億円と大幅に悪化した。
- 2025年8月