構造変化テーマAIデータセンター
イビデン
生成AIサーバー向けICパッケージ基板の需要拡大と大型設備投資への期待で、2024〜2025年の利益停滞から2027年3月期に営業利益が約2倍となる見通しへ転じ、約3年半で株価が約15倍になった。
物語を読む起点からの最高倍率
14.7倍
2026年6月
- 10倍に到達
- 2026年5月
- 起点から到達まで
- 約3年11か月
値動き
2022年6月の3,720円から、2026年6月に26,425円(途中で株式分割あり)。
起点から今日まで、スクロールで値動きをたどる
物語を読む- 起点(安値)
- 3,720円2022年6月
- 2倍
- 7,360円2023年5月・起点から約11か月
- 10倍
- 19,250円2026年5月・起点から約3年11か月・分割後の値
- 最高
- 26,425円2026年6月・14.7倍・分割後の値
- いま
- 11,625円2026年10月9日・12.9倍・最高から-12%・分割後の値
何が起きたか
起点の2022年6月は、パソコン・サーバー向けICパッケージ基板と自動車部品(セラミック・樹脂)を手がける岐阜の部品メーカーで、2023年3月期の営業利益は724億円と当時の最高水準だった。その後、パソコン需要の調整で2024年3月期・2025年3月期の営業利益は476億円前後に落ち込んだが、2025年5月に生成AIサーバー向け基板の需要が前期の2倍近いとの説明が好感されてストップ高になり、会社予想が慎重との見方も出た。2025年9月にはエヌビディアの新製品発表でAIサーバー向け基板の受注増が連想され、年初来高値を更新した。2026年3月期は営業利益620億円(前期比30.3%増)に回復し、2026〜2028年度に電子事業へ約5,000億円(のちに追加で2,800億円とも報じられた)を投じる増強計画が示され、市場は「AI基板の供給余力を持つ数少ない企業」として評価を切り上げたとみられる。
上昇を支えた柱
エヌビディアなどAIサーバー向けの高機能ICパッケージ基板で販売数量と高単価が伸び、電子事業が営業利益の大半を稼ぐ構造になったこと。
柱が折れる兆しとして見るもの
AIサーバー向け投資の減速、大野事業場など新工場の立ち上がり遅れや減価償却負担、主要顧客の発注計画の変化を、四半期ごとの電子事業の営業利益率と設備投資計画の修正で確認する。
2倍のころに見えていたサイン
2倍到達(2023年5月)のころは、2023年3月期の営業利益が724億円と前期の708億円から小幅増にとどまり、個別の強い材料は出典で確認できなかった。AI向け基板需要が明確な材料として株価に表れたのは、2025年5月の決算でのストップ高以降である。
年表
- 2023年3月期決算を発表。営業利益は724億円で、株価は起点の安値から2倍に到達した。
- 2026年3月期見通しを発表(売上高4,100億円・営業利益480億円)。生成AIサーバー向け基板が前期の約2倍と説明され、株価はストップ高(2025年5月9日、+16.97%)。
- エヌビディアが新製品「Rubin CPX」を発表。イビデンが同社向け基板を主に供給しているとの思惑で、株価は年初来高値を更新した。
- 2026年3月期決算を発表。売上高4,162億円(前期比12.7%増)、営業利益620億円(同30.3%増)。2027年3月期の営業利益予想は900億円、設備投資は過去最大規模の2,100億円。同月に株価は起点の10倍に到達した。
- 6月22日に株価がピークを付けた。AI半導体関連のプリント基板株が株探の特集で取り上げられ、イビデンが筆頭格として紹介された。
- 8月4日に2027年3月期第1四半期を発表し、通期の営業利益予想を900億円から1,270億円へ上方修正。株価は23.1%上昇した。
業績
| 期 | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|
| 2023年3月期EDINET由来の集計値。年度の対応づけは集計サイトの表記による | 4,175億円 | 724億円 |
| 2024年3月期パソコン向けなどの需要調整期。営業利益が翌期と同額で、集計値の再確認が望ましい | 3,705億円 | 476億円 |
| 2025年3月期2025年5月の期初予想(2026年3月期)は売上高4,100億円・営業利益480億円 | 3,694億円 | 476億円 |
| 2026年3月期営業利益率14.9%。純利益は637億円(前期比89.0%増) | 4,162億円 | 620億円 |
| 2027年3月期(会社予想)2026年8月4日に上方修正した予想。期初予想は売上高5,000億円・営業利益900億円 | 5,500億円 | 1,270億円 |
ピークのあと
ピーク(2026年6月22日)の後、7月下旬から8月初めにかけて株価は1.3万〜1.8万円台まで調整した。2026年8月4日に2027年3月期第1四半期(売上高1,232億円・前年同期比26.4%増、営業利益269億円・同52.4%増)を発表し、通期の営業利益予想を900億円から1,270億円へ引き上げた。この発表を受けて株価は一日で23.1%上昇したと報じられた。
2倍に届いた時点のデータ
- 時価総額(概算)
- 9,897億円
- 起点から2倍まで
- 229営業日
- 起点から10倍まで
- 958営業日
| 値動きの条件 | 基準 | この銘柄 |
|---|---|---|
| 小型 | 時価総額が83億円未満 | — |
| 速い | 安値から2倍まで77営業日以内 | — |
| 急騰 | 直近20日の上昇率が51%超 | — |
| 回転 | 浮動株回転(10日売買高÷浮動株数)が0.137以上 | — |
4つの条件は、2倍に届いた銘柄のうち10倍まで行きやすかった値動きの特徴です。詳しくはこのサイトについて。
出典
- PayPay証券: イビデン +16.97% ストップ高(2025-05-09)
- PayPay証券: イビデン +8.64% ルービンCPX発表で年初来高値(2025-09-10)
- 株探トップ特集(livedoor転載): AI半導体関連の派生テーマ「プリント基板」
- EDINET DB: イビデン 年度別業績
- 業界ダイジェスト: イビデン 2026年3月期
型: 構造変化テーマ(需要の構造が変わり、それを受けた会社の利益が大きく伸びた)。副次の型: 業績転換。 背景の確からしさ: 中(出典の質と量から判断)。調査日: 2026年10月9日。 背景は報道・決算資料などを要約したもので、原文ではありません。