業績転換iPS細胞・再生医療
住友ファーマ
2024年3月期に約3,150億円の最終赤字に沈んだ後、北米の主力薬の拡大とリストラで黒字へ戻り、iPS細胞由来のパーキンソン病治療製品の承認も重なって、2024年5月の安値から約1年9カ月で株価が約11倍になった。
物語を読む起点からの最高倍率
11.2倍
2026年2月
- 10倍に到達
- 2026年1月
- 起点から到達まで
- 約1年7か月
値動き
2024年5月の285円から、2026年2月に3,184円。
起点から今日まで、スクロールで値動きをたどる
物語を読む- 起点(安値)
- 285円2024年5月
- 2倍
- 593円2024年8月・起点から約2か月
- 10倍
- 2,910円2026年1月・起点から約1年7か月
- 最高
- 3,184円2026年2月・11.2倍
- いま
- 1,600円2026年10月9日・5.6倍・最高から-50%
何が起きたか
起点の2024年5月ごろは、主力薬ラツーダの特許切れで売上が急減し、2024年3月期に売上収益3,146億円・最終赤字3,150億円と大きく落ち込んだ直後だった。その後、新社長の木村徹氏のもとで事業構造改革を進め、北米の前立腺がん薬オルゴビクスと過活動膀胱薬ジェムテサの売上が伸びたことで、2025年1月31日に2025年3月期の営業利益を210億円、純利益を320億円(従来は160億円の赤字予想)へ上方修正した。2026年3月期は売上収益4,533億円、コア営業利益1,059億円(前期比145.4%増)と利益が急回復し、アジア事業の一部譲渡益490億円も加わった。並行して、非自己iPS細胞由来のドパミン神経前駆細胞「アムシェプリ」を2025年8月に承認申請し、2026年3月6日に条件・期限付きで承認され、市場の評価は赤字企業からiPSの実用化企業へ変わったとみられる。
上昇を支えた柱
赤字からの黒字転換を決めた北米の2製品(オルゴビクス、ジェムテサ)の売上拡大と、世界初のiPS細胞由来パーキンソン病治療製品の承認・保険適用という二つの材料。
柱が折れる兆しとして見るもの
オルゴビクス・ジェムテサの北米売上の伸びが鈍るか競合・価格改定で崩れること、アムシェプリの実際の治療件数と収益化の遅れ、特別利益を除いた本業の利益水準を決算で確認する。
2倍のころに見えていたサイン
2024年6月に新社長が就任し、4〜5月の販売が想定より良いと説明された。同月にはiPS細胞の国内製造工場を新設すると報じられ、株価が上昇した。2024年8月には株価が約407円から約684円へ上昇した。2025年1月の上方修正は2倍到達(2024年8月)より後であり、2倍到達時点では黒字化の確証は外から見えにくかった。
年表
- 新社長に木村徹氏が就任。4〜5月の販売が想定より好調と説明し、iPS細胞の国内新工場の報道もあり株価が上昇した。
- 株価が約407円(8月5日)から約684円(8月28日)へ上昇。8月19日に起点の安値から2倍に到達した。
- 1月31日に2025年3月期予想を上方修正(営業利益210億円、純利益320億円)。2期連続の最終赤字から3期ぶりの黒字へ。
- 8月5日に非自己iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞(ラグネプロセル)を日本で製造販売承認申請。先駆け審査の対象で優先審査。
- 1月9日に起点から10倍に到達。
- 2月17日の研究開発説明会でアムシェプリの世界売上10億ドル超への期待に言及。同日にピーク。
- 3月6日にアムシェプリが条件・期限付きで製造販売承認を取得。
- 5月12日に2026年3月期決算(売上収益4,533億円)を発表。5月13日に中医協がアムシェプリの保険適用を了承(薬価約5,530万円)。
業績
| 期 | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|
| 2023年3月期EDINET DB表記(FY2022欄) | 5,555億円 | 602億円 |
| 2024年3月期EDINET DB表記。純損益△3,150億円。ラツーダ特許切れと構造改革費用などで大幅赤字 | 3,146億円 | -3,549億円 |
| 2025年3月期EDINET DB表記。純利益236億円。北米のオルゴビクス・ジェムテサが拡大 | 3,988億円 | 288億円 |
| 2026年3月期IFRS営業利益。アジア事業の一部譲渡益490億円を含む。コア営業利益は1,059億円(前期比145.4%増) | 4,533億円 | 1,073億円 |
ピークのあと
ピーク(2026年2月17日)は、社長が研究開発説明会でアムシェプリの将来的な世界売上10億ドル超に言及した日に当たる。その後の2026年3月6日に条件・期限付き承認、5月13日に中医協が保険適用を了承(薬価は1人あたり約5,530万円)、2026年秋に治療開始の見通しとなった。2026年3月期決算(5月12日発表)では売上収益4,533億円と大幅増益だったが、ピーク後の株価推移は確認できていない。
2倍に届いた時点のデータ
- 時価総額(概算)
- 2,611億円
- 起点から2倍まで
- 56営業日
- 起点から10倍まで
- 395営業日
| 値動きの条件 | 基準 | この銘柄 |
|---|---|---|
| 小型 | 時価総額が83億円未満 | — |
| 速い | 安値から2倍まで77営業日以内 | 当てはまる |
| 急騰 | 直近20日の上昇率が51%超 | — |
| 回転 | 浮動株回転(10日売買高÷浮動株数)が0.137以上 | 当てはまる |
4つの条件は、2倍に届いた銘柄のうち10倍まで行きやすかった値動きの特徴です。詳しくはこのサイトについて。
出典
- JPX: 住友ファーマ 2025年3月期 業績予想の修正(2025-01-31)
- JPX: 住友ファーマ 2026年3月期 決算(2026-05-12)
- EDINET DB: 住友ファーマ FY2026 決算
- 熊本日日新聞: iPS治療へ「新たなスタート」 住友ファーマ、承認受け
- 熊本日日新聞: iPS製品、医療保険適用対象に 今秋にも治療へ
- 日経ヘルスケア等: 住友ファーマ iPS細胞由来製品を承認申請
型: 業績転換(赤字や低収益から、利益率が大きく改善した)。副次の型: 新製品・ヒット。 背景の確からしさ: 中(出典の質と量から判断)。調査日: 2026年10月9日。 背景は報道・決算資料などを要約したもので、原文ではありません。