構造変化テーマAIデータセンター

フジクラ

5803東証プライム · 非鉄金属

2020年に減損で赤字に沈んだ電線大手が、生成AIとデータセンター向けの光ファイバ・光配線需要の受け皿となり、2回にわたって株価が10倍を超え、起点から最高で約204倍になった。

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起点からの最高倍率

204倍

2026年5月

10倍に到達
2024年4月
起点から到達まで
約4年

値動き

2020年3月の258円から、2026年5月に7,855円(途中で株式分割あり)。10倍の判定に使う起点から5年以内の最高は31.2倍で、その後も上がりました。

1倍2倍5倍10倍50倍100倍202120222023202420252026分割起点2倍10倍2回目の10倍最高いま
1倍2倍5倍10倍50倍100倍202120232025分割起点2倍10倍2回目の10倍最高・いま
縦軸は起点の株価を1とした倍率(配当込み・対数目盛り)。週ごとの終値。線に触れると、その週の当時の株価が出ます。

起点から今日まで、スクロールで値動きをたどる

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起点(安値)
258円2020年3月
2倍
525円2021年2月・起点から約10か月
10倍
2,410円2024年4月・起点から約4年
最高
7,855円2026年5月・204倍・分割後の値
いま
5,415円2026年10月9日・141倍・最高から-31%・分割後の値

何が起きたか

起点の2020年3月は、2020年3月期に光ファイバ設備などの減損損失172億円を計上して純損失385億円に沈んだ時期で、2020年9月に「100日プラン」で事業再生に着手した。2022年4月に岡田直樹氏が社長に就任し、不採算事業の分社化と情報通信への集中を進め、2024年4月には薄利の導体事業を分社化した。2024年は生成AIの普及でデータセンター向けの光ファイバーケーブルや光コネクターの需要が膨らみ、営業利益は2024年3月期の695億円から2025年3月期に1,355億円、2026年3月期に1,887億円へ伸びて、株価は日経平均構成銘柄で上昇率首位となった。2025年4月の安値から2回目の上昇では、2025年10月の日米の枠組み合意に基づく最大3,000億円の増産投資や、2026年6月18日に示された2027年3月期の営業利益予想3,100億円なども材料になったとみられる。

上昇を支えた柱

生成AI向けデータセンターの光ファイバーケーブルと光配線(高密度のSWR®/WTC®、融着接続機)の需要が強く、情報通信部門が営業利益の約8割を稼ぐ構造に変わったこと。

柱が折れる兆しとして見るもの

米国のハイパースケーラーの設備投資計画、光ファイバの需給と価格、増産投資の稼働後の稼働率を、四半期決算の情報通信部門の営業利益と会社の増産計画で確認する。

2倍のころに見えていたサイン

2倍到達(2021年2月)のころの直接の材料は確認できなかった。2020年9月に「100日プラン」で事業再生に着手しており、再建途上にあることは外から見えていた。2回目の2倍到達(2025年6月)の前には、2025年2月に佐倉事業所のSWR新工場が竣工して生産量が約30%増える見通しが示されていた。

年表

  1. 2020年3月期に光ファイバ設備の減損などで純損失385億円。株価は相場急落の安値圏にあった。
  2. 事業再生計画「100日プラン」を策定。
  3. 導体事業(売上高約752億円)をフジクラ・ダイヤケーブルへ分社化。2024年3月期の営業利益は695億円。
  4. 2024年9月27日に上場来高値5,103円。年初の約1,075円から9カ月で約5倍になった。
  5. 佐倉事業所のSWR新工場が竣工。1回目のピークを付けた。
  6. 米国商務省と枠組み合意書を締結。日米で最大3,000億円を投じ、光ファイバの生産能力を最大3倍にする計画。
  7. 1株を6株とする株式分割を発表(2月25日、4月1日効力)。
  8. 2026年3月期決算を発表(売上高1兆1,824億円、営業利益1,887億円で過去最高)。13日に2回目のピークを付けた。

業績

期売上高営業利益
2022年3月期6,704億円383億円
2023年3月期8,065億円702億円
2024年3月期純利益510億円で過去最高7,998億円695億円
2025年3月期9,794億円1,355億円
2026年3月期情報通信部門が営業利益の約81%を占める1.18兆円1,887億円

ピークのあと

1回目のピーク(2025年2月12日)の後、2025年4月に年初来安値3,592円(分割前)まで下げた。その後、2025年7月30日に米コーニングの好決算を受けて株価が8.9%上昇し、上場来高値を更新した。2回目のピーク(2026年5月13日)は、分割後の7,855円とされる。2026年6月18日に2027年3月期の予想を営業利益3,100億円へ上方修正して株価は急反発したと伝えられ、ピーク後の落ち込みの大きさは確認できなかった。

2回目の10倍

2025年4月の3,593円を新たな起点に、2026年4月に5,935円で ふたたび10倍に届きました(約1年)。この間に株式分割があったため、円の値の比は10倍より小さく見えます。

2倍に届いた時点のデータ

時価総額(概算)
1,350億円
起点から2倍まで
215営業日
起点から10倍まで
993営業日
値動きの条件基準この銘柄
小型時価総額が83億円未満—
速い安値から2倍まで77営業日以内—
急騰直近20日の上昇率が51%超—
回転浮動株回転(10日売買高÷浮動株数)が0.137以上—

4つの条件は、2倍に届いた銘柄のうち10倍まで行きやすかった値動きの特徴です。詳しくはこのサイトについて。

出典

  1. 松井証券: フジクラ 決算推移
  2. 投資ブログ(tousaiblog): フジクラ株が上がる理由
  3. the-shashi: フジクラのAIデータセンター転換(2025)
  4. Business Insider: フジクラ株の急騰と業績(2024年)
  5. PayPay証券: フジクラ +8.9% 米コーニングの好決算(2025-07-30)
  6. PayPay証券: フジクラ +5.12% データセンター向け光ファイバー(2025-09-04)

型: 構造変化テーマ(需要の構造が変わり、それを受けた会社の利益が大きく伸びた)。副次の型: 業績転換。 背景の確からしさ: 中(出典の質と量から判断)。調査日: 2026年10月9日。 背景は報道・決算資料などを要約したもので、原文ではありません。