構造変化テーマ造船
内海造船
フェリー・RORO船などを手がける中堅造船が、2022年3月期の低収益から2024年3月期に営業利益3倍超へ回復し、2025年10月の政府・業界の造船再建の動きで買われて、起点の安値から約21倍になった。
物語を読む起点からの最高倍率
20.8倍
2025年10月
- 10倍に到達
- 2025年8月
- 起点から到達まで
- 約4年7か月
値動き
2020年12月の955円から、2025年10月に18,450円。
起点から今日まで、スクロールで値動きをたどる
物語を読む- 起点(安値)
- 955円2020年12月
- 2倍
- 1,826円2023年4月・起点から約2年3か月
- 10倍
- 9,110円2025年8月・起点から約4年7か月
- 最高
- 18,450円2025年10月・20.8倍
- いま
- 11,920円2026年10月9日・13.5倍・最高から-35%
何が起きたか
起点の2020年12月ごろは、広島県尾道市に拠点を持つ中堅造船で、2022年3月期の営業利益は4.6億円と低水準だった。その後、円安と手持ち工事の積み上がりで2023年3月期は売上376億円、2024年3月期は売上464億円・営業利益31.8億円へ拡大した。2025年10月には、日本の造船業を官民で再建する構想(2035年までに官民で1兆円規模を投じて国内の建造能力を倍増)が政策として具体化し、業界団体が3,500億円の設備投資を自民党の会合で説明した。このため国内造船株が連想で買われ、内海造船は10月22日の10,910円から29日の18,450円まで約1.7倍になったと報じられた。
上昇を支えた柱
国の造船再建策と、旺盛な新造船・改修船の需要を受けた受注残の積み上がり。
柱が折れる兆しとして見るもの
政府支援の具体化の遅れ、中国・韓国勢との競争、鋼材・人件費の上昇による採算悪化を、受注残(2025年3月期末で1,005億円)と営業利益率で確認する。
2倍のころに見えていたサイン
2倍到達の2023年4月ごろの具体的な材料は今回の調査では確認できなかった。2023年3月期は売上が前期比約14%増の376億円へ伸びており、続く2024年3月期に営業利益が765百万円から3,183百万円へ伸びた。
年表
- 2023年3月期決算。売上376億円、営業利益7.7億円。
- 2024年3月期決算。売上464億円、営業利益31.8億円へ大幅に増益。
- 2025年3月期決算。引渡しが13隻に減り売上446億円(-3.7%)、営業利益14.2億円(-55.5%)。受注残は新造船25隻を含む1,005億円。
- 10月23日に自民党の会合で造船業界団体が3,500億円の設備投資を説明し、造船株が急伸した。10月29日にピークを付けた(10月22日10,910円から29日18,450円)。
- 2026年3月期決算。売上470億円、営業利益30.8億円。
- 国土交通省が造船能力増強計画を認定。2034年度までに111億円を投資し、国の助成は最大43億円とされる。
業績
| 期 | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|
| 2022年3月期 | 330.4億円 | 4.6億円 |
| 2023年3月期 | 376.2億円 | 7.7億円 |
| 2024年3月期 | 463.8億円 | 31.8億円 |
| 2025年3月期前期にあった大型改修工事の反動と引渡し減 | 446.5億円 | 14.2億円 |
| 2026年3月期 | 470.2億円 | 30.8億円 |
ピークのあと
ピーク(2025年10月29日)の後、2026年3月期は売上470億円・営業利益30.8億円。2026年4〜6月期は売上126億円(前年同期比+23.5%)、営業利益13億円(同+203.6%)だったが、通期予想は減収・大幅減益とされる。2026年9月には国土交通省が同社の造船能力増強計画(2034年度までに111億円を投資、最大43億円の国の助成)を認定したと伝えられる。
2倍に届いた時点のデータ
- 時価総額(概算)
- 30億円
- 起点から2倍まで
- 560営業日
- 起点から10倍まで
- 1133営業日
| 値動きの条件 | 基準 | この銘柄 |
|---|---|---|
| 小型 | 時価総額が83億円未満 | 当てはまる |
| 速い | 安値から2倍まで77営業日以内 | — |
| 急騰 | 直近20日の上昇率が51%超 | — |
| 回転 | 浮動株回転(10日売買高÷浮動株数)が0.137以上 | 当てはまる |
4つの条件は、2倍に届いた銘柄のうち10倍まで行きやすかった値動きの特徴です。詳しくはこのサイトについて。
出典
型: 構造変化テーマ(需要の構造が変わり、それを受けた会社の利益が大きく伸びた)。副次の型: 業績転換。 背景の確からしさ: 中(出典の質と量から判断)。調査日: 2026年10月9日。 背景は報道・決算資料などを要約したもので、原文ではありません。